背中のコントロールをする指令塔であり体の中心部を支える本物のリーダー。その名は「脊柱起立筋・せきちゅうきりつきん」と呼ばれる。体幹って大切だよねっと言いつつ脊柱起立筋を知らない。
そんな方は脊柱起立筋の筋肉図解を一挙に見て体幹の主人公をサッサッと理解してしまいましょう。

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1.英語では「erector spinae」

脊柱起立筋は「せきちゅうきりつきん」と読み
英語では「erector spinae」
カタカナ読みで「エレクター・スパイン」

ラテン名・musculus erector spinae
英名・Erector spinae

Erector spinaeと表記されている個所が脊柱起立筋です。

 

2.背中の中心部にある9つの筋肉

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、背中の中心部を縦に細長く走っている筋肉群で、ひとつの筋肉を指すのではなく9つの筋肉から構成されています。
脊柱起立筋が収縮すると、上半身を起立させる、背筋を伸ばす作用が生まれます。
作用の際にはチームで働く筋肉群というイメージで、全身の動きのほぼ全ての動作をサポートしています。

表面からは見えないインナーマッスルの筋肉であり、他の筋肉と比べて非常に細く長いのが特徴的。
それだけに回復に時間がかかる。しかし体感的に作用させている感覚を掴むことは非常に難しいため、ケアの意識が大切になります。

 

3.腸肋筋

脊柱起立筋群の中でも代表的な筋肉なのが「腸肋筋・ちょうこつきん」
腸肋筋はさらに3つの筋肉に分類され、腰腸肋筋、胸腸肋筋、頚腸肋筋と「腰・胸・首」と胴体の重要なエリアを走っています。
脊柱起立筋群の中でも最も表面的にある外側の筋肉です。

 

4.最長筋

最長筋(さいちょうきん)はその名のとおり脊柱起立筋の中でも最も長い筋肉で真ん中に位置しています。
胸最長筋、頚最長筋、頭最長筋という3種類に分類されます。
Longissimusと表記されている部分が最長筋です。

 

5.棘筋(きょくきん)

棘筋(きょくきん)は、脊柱起立筋の中でも一番内側で深層部に位置する筋肉で、さらに3つの筋肉「胸棘筋、頚棘筋、頭棘筋」に分類されます。身体のひねる動きに関与している捻りの役者。
頭棘筋 : spinalis capitis
胸棘筋 : spinalis thoracis
頸棘筋 : spinalis cervicis

 

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6.背中を反らす・捻る・倒す

「背中を身体をそらせる」「背骨を横に倒す」「背骨をひねる」という動作に関わり、それぞれ脊柱の伸展、側屈、回旋といいます。脊柱起立筋は背骨を動かすためのあらゆる動作に関わる背骨マスター。ミスター背骨。

 

7.腰痛を予防・改善

何と分かりやすい猫背の構図、恐ろしい・・・

脊柱起立筋は背中の中心の深部にあり背骨の動きをつかさどる筋肉ですから、弱ってしまうと腰痛の原因になります。背中にコリを感じる場合、脊柱起立筋群の筋肉に慢性的な緊張が生じている可能性も。
胴体を主にしたストレッチや、体をひねるといった刺激を与える運動が緩和のつながりますので定期的にケアしましょ。

背中が反っているタイプの腰痛には、脊柱起立筋より腹筋を鍛えて筋肉のバランスをとることが大切。
腹筋・脊柱起立筋・背筋は前中後の関係で、それぞれに筋力が偏らないようしましょう。

 

8.体幹トレーニングが最適

体の深層部の筋肉に刺激を与える体幹トレーニングが最適です。
もっともオススメなのがプランクで、今の自分の体幹力を直ぐにチェックできます。
30秒続けられないようでしたら脊柱起立筋群が相当弱ってしまっている可能性が高いですね。

姿勢を維持する筋肉ですから、この筋肉が弱ることで姿勢が前傾になったり体の歪み発生する要因になります。
腰痛や体のダルさに悩まさる前に体幹力をキッチリ鍛えておくことをオススメします。

 

脊柱起立筋の筋トレ・メニュー

背骨をコントロールする筋肉ですからどんな動きに対しても関与はほぼ必ずありますが、役割は補助的。
ですから狙いを主役級に定めて実施できる「プランク」「バックアーチ」がオススメです。

人間が他の哺乳類と最も違う点は、2足歩行であり2足直立できること。骨格的な違いが顕著なのが背骨と言われます。その背骨を安定させる筋肉ですから、人間にとって要の筋肉とも言えるのはないでしょうか。体の軸を安定させる力に最近は特に注目が集まっています。

スポーツにおけるパフォーマンスは手や足の筋力ではなく、まず軸の安定でありアンバランスに対するコントロール力が差をつける要因として取り上げられています。

脊柱起立筋を見直すべき時がきています。