ダイエットにおいて糖質制限が従来のカロリー制限より圧倒的に人気であり効果が高いのは楽だから。カロリー制限は食べる量を減らさないといけません。そもそも食欲が旺盛で太ってしまった人にとって食欲を抑えること自体が大変。途中で挫折してしまいがちなのは食という人生の楽しみを徹底的に抑え込むストレスが発生しやすいから。
ダイエットの成果よりも食の娯楽を捨てるなんて絶望でしかありません。しかし糖質制限食なら食べる楽しみを満喫しながらダイエットができるのが有難いところ。カロリー制限より糖質制限の方が、なぜダイエット人気があるのか?7つの理由をご覧あれ!
糖質制限食で痩せる仕組みをおさらい
糖質制限食とは炭水化物に含まれる糖質を制限した食事のこと。炭水化物は糖質と食物繊維で構成され、炭水化物から食物繊維を抜いた成分が糖質です。元々はダイエット用の食事として生まれたのではなく、糖尿病患者さんの血糖値を抑えるための食事方法でした。
副次的にダイエットの効果が発見されたという経緯があります。血糖値が上がると余分な血糖が脂肪として蓄えられ太る要因になります。糖質を制限すると血糖値の上昇が低くく抑えられて余分な脂肪がつくられず太りません。
さらに、活動エネルギー源である糖質が食事から供給されなくなると、溜め込まれていた脂肪が使われていき、太らない体質+脂肪燃焼のダブル効果で急激に痩せていきます。太る原因である糖質を抑えることで痩せていく、というのが糖質制限食の痩せる仕組みです。
カロリー制限より楽な7つの理由
面倒なカロリー計算が必要なし
まずカロリー制限の場合、食品ごとのカロリーを把握しないといけません。
これがかなりの至難の技。初めは初めて知る食品の栄養素に新鮮さを感じつつ、貪欲になるのですが途中から頭の中で栄養情報がこんがりはじめて、段々面倒になってくるもの。
複数の食材が合わさった食事だとカロリー計算の手間は格段に跳ね上がります。
人参は1本分の3分の1で…ささみ肉は200gで…チーズは30kcalで、全部足すと…
ま!ヘルシーにみえるから、全体で400kカロリーぐらいでしょ!
と、自分でイメージする思い込みカロリー計算法にシフトしまいがち。
そして、肉類や菓子パン類のカロリーの高さと密度に驚きつつも、絶対に満足できない一口レベルで、1食分の許容カロリーを超える事実に目を反らし始めると終了の鐘がひっそりと鳴ります。
長期の覚悟で栄養把握力を磨かないとカロリー制限能力は身に付きません。
栄養の道に携わっていた人ならいざ知らず、普通の人にとってカロリー計算は厳しいもの。
そんなカロリー計算が糖質制限の場合は不要で、面倒な計算作業は必要なし。
基礎的な栄養力をつければ充分なのが有難い。
膨大な量の食品知識が必要なし
食材はパーツ・部位によってもカロリーは変わります。鳥だったらレバー・ささみ・もも肉・鶏皮によってカロリーはまったく違うもの。野菜も葉・根・茎によって栄養価の違いがあります。
食材とさらにパーツごとのパターンを考えると食品のカロリーパターンは膨大な量に膨れ上がります。
良く使う主要な食材は抑えながらもすべてを覚えるのはほぼ不可能。なるべく厳密にやるなら本やネット・手帳など調べるツールを上手に使いこなさなければなりません。興味がある人ならいざしらず、ダイエット目的の人にとっては食品情報の把握はモチベーションがあがらない大変な作業に。
糖質制限の場合、全体を据える必要はなく、最低源の糖質が多い食材を覚えればOK。
NG食材も部分を利用するのではなく、その食材ごと食べないので計算の手間もカロリー制限に比べて大幅に少なくなります。
コツを掴めば簡単に判断できる
とはいってもNG食材とOK食材を覚えておくのはやはり面倒!ですがNGとOKの理由が分かっていると判断しやすくなります。
太る原因は2つです。
①急激に血糖値が上がること
②高い血糖レベルになること
この二軸で考えていくと糖質量の大小が大まかに予想できるようになります。
なぜ太る要因になるのか?その理由は、血糖値の上昇スピードが速いと、血糖を脂肪に変える働きが強まり、脂肪の製造量が通常よりも増えるから。さらに、血糖値が高い状態が続くとあるレベル以上の血糖は余分な血糖と見なされて、どんどん脂肪へ変換されていきます。高い余分な血糖はそのまま脂肪に変わってしまうのです。
NGとOK食材の判断は太る要因と関連しています。
①血糖値の上昇が速い → 急激に血糖値を上げる食材
②高い血糖レベル → 高い血糖レベルにする食材
急激に血糖値を上げる食材の共通点は「植物の実」であること。「実」には次世代の子孫のための栄養源として糖質が蓄えられているのでしょう。例えば「実」の代表が「お米・小麦・じゃがいも・トマト・果物」などで全て糖質が高い部類のNG食材です。
高い血糖レベルにする食材の傾向は、精製度合いが高い食材であること。例えばお米の周りに精製前の皮がある「玄米」の上昇スピードは精製後より低めです。反対に食べやすく煮込まれた「お粥」や「小麦」を細かく砕いて小麦粉から作る「パン」や「パスタ」などは高くなります。
玄米 … やや低い
お粥 … 高い
パン … 高い
この差の理由は吸収の早さであり、すなわち消化の早さ。消化しやすい食材や加工品はだいたいNG食材です。判断のコツとして「吸収されやすそうか?」というざっくりイメージで判断するのをオススメします。例えば次の対戦ならどちらの方が太る食材でしょうか?
ざく切りのジャガイモ < 粉状にしてから成形したポテト
ざく切りの果物 < 果物ジュース
「ざく切り食材」が勝つのが消化イメージから判断できます。実際、フライドポテトやジュースは血糖値を急激に素早く上昇させる食べ物として推奨されていません。
糖質が高い「植物の実」であるか?
消化されやすい加工食品であるか?
この2つの判断ポイントで考えると、詳しい数値が分からなくてもザックリ判断が出来ます。
お腹いっぱい食べていい、量の制限なし
ダイエット目的の糖質制限でもっとも嬉しいのは量の制限がないこと。カロリー制限の場合は「量の制限」の食事方法であり、「食欲を抑えること」にもっともパワーを使いますから、糖質制限の「量の制限の撤廃」はかなりの朗報です。
もっとも衝撃的な例は「肉」をいくら食べてもいいこと。焼肉やステーキをがっつり食べてOKなんて、カロリー制限の手法では考えられないことです!特にステーキは脂身が多く、カロリーが高い代名詞で、食べてはいけないメニューの代表例。
カロリー視点で見ると「脂肪」は同量の「糖質」の2倍以上のカロリーをもっている悪者扱い。しかし糖質制限視点でみると「脂肪」は「糖質」をほとんど含まない優良食材扱いになります。糖質制限は、糖質を制限する代わりに、脂質とたんぱく質に対しての制限はありません。
食後に血糖値を上げる食材である糖質がNGであるため、食後に血糖値を緩やかにしか上げない脂質とたんぱく質はOKなのです。血糖値を上げないモノ・脂質とたんぱく質ならどれだけ食べてもいいよ、という指令は素晴らしいですね。
ただし食べ過ぎは少しの糖質成分が寄り集まって、意外に大きな糖質量になりますから、量はある程度セーブしないといけません。それでもカロリー制限より量は食べてOKなことは変わりありません。
食べていい食材の種類が豊富
カロリー密度が高い食材を使った肉・チーズ・バターなど、カロリー制限ではNGだったアブラ系の食材が、糖質制限ではOK食材ですから、アブラ系食材を多用する欧風の料理など、料理の幅が広がり豊富になります。
食べていいメニューが増えることは、食の楽しみに直結しますから嬉しい限りですね。注意すべきはトランス脂肪酸を含むアブラは摂らない方がいい、といったダイエットより健康的な面での気遣いです。
蒸留酒ならお酒もOK
お酒好きな方にとって朗報なのが、糖質の少ない種類は飲んでかまわないこと。ウィスキー・ブランデー・焼酎などの蒸留酒がOK。日本酒やビールは糖質が多いため、アウトなのですがOK酒類の飲み方やバリエーションを工夫することでお酒生活を楽しめます。
糖質制限食の商品が充実してきている
コンビニやスーパーに糖質制限中のダイエッターのツボをくすぐる糖質制限商品が増えてきています。そそ、これが困っていたんだよ!食べたかったんだよ!というピンポイントな商品提案に思わず唸る。
例えば、こんにゃくのラーメン。さらに美味しくない評判に対応して、食感に拘った第三バージョンまで進化していたりと。糖質制限者の胃と舌を研究した商品が、これからもどんどん登場するでしょう。
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