筋トレは回数より完璧な1回こそ重要・まず回数より質

回数はこなしているがあまり筋力がアップしない気がする。
考えられる主な理由は2つ。負荷が軽いか、フォームが適切でないこと。負荷が軽いことはよく語られますが、フォームに焦点を当てた話題はあまり耳にしません。まず処方すべきなのはフォームであり、重量はその後です。

今回は筋トレを効果的にする方法として
フォームをしっかりとさせて、
1回の質を上げるやり方を取り上げます。

なぜなのか、どうすればいいのか、
アメリカのNFLなどスポーツ界で実践されてきた
スロートレーニングの手法を元に
具体的な実践方法まで追っていきます。

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回数優先!重量優先で効果が低いパターン3つ

回数を稼ぐ!素早く100回腕立て伏せの罠

誰が最も早く100回をこなせるか!?そんな企画をテレビで見たことがないでしょうか。
優勝者は腕立て伏せをもっとも楽に行える方法でやっていた人。なんということでしょう…プッシュアップの神様がいたら悲しむだろう出来事です。

早くて、楽で、回数を稼げる腕立て伏せのやり方は反動を使うこと。下げ切る時に腕を若干固めてバネのようにさせて切り返し、上半身の重さを活用して体をテンポよく落とす。この方法では、負荷がかかっている時間が非常に短く筋肉への刺激はかなり少なめ。また反動を使うため、さらに筋肉への負荷時間が短縮されてしまいます。

スピードの養成にもなるように見えますが、肩関節や肘関節への負荷が多いために慢性的な腕や肩の痛みの要因になりえます。回数は100回と凄いのですが、腕にも胸の筋トレにも効果が薄く、ケガのリスクが高いオススメできない方法です。回数を追って効果を打ち消してしまう例。

 

重量を求めて!重いベンチプレスの罠

ペンチプレスは重い重量をウシっと上げたいもの。でも重すぎると危険で効果の低いフォームを覚えてしまう要因に。

例えば、胸にバーをドンっと落として反動であげる。さらに重量の重みを活かしてまた胸に落として、胸というか肋骨の反動で持ち上げる。さらに、さらに、持ち上げた際に肘関節でロックして持ち上げた感を演出する。

これは胸と肘関節へのいじめ行為であり、こういういじめは筋肉は喜んでくれず成長してくれることがありません。重い重量は悪いフォームを習得してしまいます。

 

スピード重視!パタパタさせるレッグレイズの風景

わっしょーい!レッグレイズだ!パタパタパタ…人力扇風機のように素早く足の上げ下げをする。

レッグレイズで足の持ち上げを素早くし、さらに切り返しで反動を使い戻していく。この動きの場合、負荷がかかっている可動域が少ない上に、折り返しの際に筋緊張が抜けて負荷がなくなるという2重の損失を被ることに。レッグレイズで足を早く持ち上げて反動で切り返して下して「スピードと反動」を活用すると効果は激減。

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重要なのは「回数」より「時間」

効果を上げる方法はシンプル。ポイントを4つお伝えします。

① ゆっくりと動作させる

1回の反復運動を5秒~7秒かけて、ゆっくりと行います。早くても最大で5秒が目安。通常ですと2秒ですが、その倍以上の時間をかけるイメージです。

持ち上げるときも力を入れ続け、下げるときも力を入れ続けて、筋肉の緊張をとかないように。なるべくゆっくりと可動域を同じスピードで動作させます。1回ずつを計測するのは困難ですから、1セット単位で計測します。ストップウォッチで1セットの時間を図り、回数分で割った時間が1回の時間になります。

 

② 正しいフォーム・正しい軌道で行う

正しいフォームとは、実施する筋トレメニューが狙いとする主動筋に対して効果が高い軌道と態勢で行うこと。体をコントロールし意図した軌道で動作をさせます。

 

③ 切り返しポイントでしっかり静止させる

折り返し地点でしっかりと動作を停止させます。2つの理由があり、ひとつは筋肉への負荷を継続的に高めるため。もうひとつは、反動を使わないようにするため。

筋肉の緊張を継続して筋繊維への負荷を高め続けて、反動で負荷が抜けるのを防ぎましょう

 

④ 可動域を最大限にする

開始から折り返しポイントまでの距離を長くするようにし、可動域を最大限にします。正しいフォーム・軌道をつきつめると、1回の筋トレのパフォーマンス力を上げる鍵は「可動域」が握っています。関節を曲げる・伸ばす動きをしっかりさせて、筋トレメニューごとの最大可動域でしっかり動作させます。

 

1セットの時間を長く出来るようにする

 

ダンベル・ベントオーバーロー
Dumbbell Bent-Over Row

 

 

4つのNG

「やるべきこと」は「やってはいけないこと」の裏返し。この4つの事項に意識を向けると注意点がはっきりし筋トレの質が変わります。

①反動を使わない

反動を使わないのがまず第一の原則。

②てこの力を活用しない

チーティングはしません。チーティングとは反動や体の部位を活用して主動筋とは関連のない「てこの力」で動作を達成するやり方。関節の負担になりやすいため、ケガの予防の観点からオススメしません。

③重量や体重の重みを使わない

重量の重力や自分の重さをコントロールしてスピードを抑えるようにします。

④フォーストレップは使わない

補助の人に手伝ってもらって重量を持ち上げるやり方をフォーストレップといいます。このフォーストレップは反復後半で追い込むための手法のひとつですが、ゆっくりと完璧に動作させるスロートレーニング全体が1セット単位で追い込むための手法のため必要ありません。

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ゆっくり動作させるトレーニングの狙い

最大筋力のアップをはかる

ゆっくりとした反動を最小限に抑えた動作は、筋緊張を高めて、筋繊維の動員を最大限まで増やしてくれ、これが最大筋力のアップにつながります。実際にやってみると1回1回の動作がだんだんと厳しく困難になっていき、筋肉の奥深くが焼けて神経が震えるような感覚を覚えるでしょう。

 

1セットごとにオールアウトを目指す

1セットごとに筋肉を最大限まで追い込むオールアウトさせた状態を目指すのが理想で、この1セットごとという点が最終セットでオールアウトを狙う一般的な方法と違いがあります。

 

ネガティブ動作を重視・筋肥大を狙う

動作をゆっくりさせる中でも特にネガティブの時間を重視します。ネガティブとは、筋繊維が引き伸ばされながら力を発揮する時で、例えばフリーウエイトなら重量を下げる時の動作にあたります。(反対がポジティブ)
ネガティブはポジティブに対して40%~60%アップの大きな力を発揮し、負荷に耐えるポテンシャル十分に持っていますから、存分に活かしましょう。ネガティブをしっかりやることで筋肥大の可能性を広げます。

 

ケガの予防

最大の狙いのひとつはケガをしないで筋トレを続けられる方法として最適であること。筋トレが原因で関節を痛めてやがてはケガにつながってしまうことはスポーツ選手のよく見られる典型的なケガであり、筋トレが仇になるという悲劇です。
ゆっくりな動作は関節に負荷をかけず狙いの筋肉群に刺激を与えることに、筋肉で負荷を支えるようにし、関節で支えることはしません。関節のケガの要因になる「関節をロック」はNG

 

実践編のポイント・軽い重量で正しいフォームを掴む

まず実施するのに最適な導入方法は「軽い重量」で行うこと。
可動域を最大にするフォームをしっかり掴みます。

例えば本来の重量の半分で準備して12回を目指して、ゆっくりと反動を使わないよう動作させて、正しいフォームを軌道を体得することに努力を払いましょう。
重量が半分であってもしっかり出来れば、遅発性の筋肉痛に襲われることも。

初心者より経験者の方がスローにするのが難しいものですから、まずはどなたも軽い重量に取り組んでチェックすることをオススメします。

ダンベルカール
ダンベルカールのやり方

日本でもスロートレーニングは「スロトレ」として一時期広まりましたが、
本来の趣旨と違った意味で翻訳・拡散してしまった感があります。

また指導者によりかなり内容が違うので
「スロー」だけを切り取って理解するのは早急。

スロー=簡単、という図式で
負荷が軽くて優しいトレーニングとして認識されがちですが
実際は効くフォームを習得し制御するのは難しく
ゆっくりやることで筋肉に起こる不快感・痛みは
心理的にも肉体的にも厳しいものです。

取り組んでみると、
むぉぉぉおおおおと
筋肉が奥深くから悲鳴を上げるでしょう。

ゆっくりと行う理由が分かると
何を意識してやるべきかが明確になり
ひとつひとつの動きに対して意識が変わってきます。

このスロトレの起源はアメリカのスポーツトレーナー団体であるNPCA。
興味がある方は是非ご覧ください。【英語】http://nspacertified.com/