フレンチプレスは上腕三頭筋を狙った筋トレメニュー。やり方もイスに座ってやる方法から立って行う方法、またフォームも多様になっていますので、ポイントを掴んで自分の目的に合ったベストなやり方を押さえましょう。フレンチプレスの筋トレ方法を手順・効果・実際の動画を交えて解説していきます。

やり方・手順 狙いの筋肉 効果 参考動画
ポイント解説 目的別の回数・負荷・頻度の算出
15秒ネット漫画サイト IKECO

ダンベル・フレンチプレスで鍛える筋肉と効果

ダンベル・フレンチプレスはダンベルを持って肘を曲げ伸ばしすることで上腕三頭筋の長頭を狙うメニューです。立つかベンチに座って、腕を頭上に伸ばし頭の後方で曲げ伸ばしをするパターンをフレンチプレス、ベンチに寝転んで胸前面で肘の曲げ伸ばしを行うパターンをライング・トライセプス・エクステンションと一般的に言われています。

French Press

Overhead
Triceps Extensions

ダンベル・フレンチプレス

出典:excise menu

Lying
Triceps Extension

頭の後方で曲げ伸ばしを実施するパターンは英語圏では”Overhead Triceps Extensions”、カタナカ読みにすると「オーバー・トライセプス・エクステンション」と呼ばれます。主な違い2つ。「寝ころぶか・座るか・立つか」といった立居スタイルの違いと、腕の曲げ伸ばしをする位置です。腕の曲げ伸ばしを胸の前面で行う場合は上腕二頭筋と上腕三頭筋をそれぞれ均等に鍛えられ、頭上で伸ばして頭の後方へ曲げるやり方はより上腕三頭筋で集中できる方法と言えます。

ダンベル・フレンチプレスにはさらに両手と片手ずつで行う2つのパターンがあります。
まずは両手の場合で行い上腕三頭筋への効かせるフォームを体得してから、軌道域に自由がある片手を取り入れるという手順がいいでしょう。

派生的なやり方は各種ありますが本質的な目的は、ダンベルを持って肘の曲げ伸ばしを行うと上腕三頭筋が作用するということであり、上腕三頭筋を伸ばして収縮させる動きを体得するがポイントです。この原則を活用して自分なりに効かせられる軌道や角度を探し宛てて、自分用のメニューにカスタマイズすることが一番ですね。

メインターゲットの筋肉 上腕三頭筋 ★★★

効果

普段使わないから弱体化しがち:上腕三頭筋のは普段あまり使われない筋肉でトレーニングしないと案外弱まりがち、腕の裏の大部分を占める筋肉で後ろ姿の見栄え力も左右します。

振袖肉と呼ばれ:上腕三頭筋が弱まり脂肪がつきだすと「振袖肉」と呼ばれる部位に変化。なんという悲しい称号でしょうか。

腕を太く見せる:上腕三頭筋は「力こぶ」をかたちづくるではなく、「力こぶ」の裏側に位置する筋肉ですが、腕を太く見せる主要な役割を果たします。その面積は「力こぶ」をつくる上腕二頭筋より、上腕三頭筋の方が大きく、腕の後ろ側の見栄えを司る主人公なのです。腕が太い印象を抱かせる人は上腕三頭筋の発達が目覚しいものです。上腕三頭筋が鍛えられて引き締まるとメリハリがある腕になりTシャツなどの着こなしが全く変わってきます。

腕を細くメリハリをつける:女性にとっての上腕三頭筋といったら鍛えることで振袖腕の解消に繋がること。低い負荷での多くの回数を行う筋持久力のトレーニングを行えば、筋肥大させず腕を太くしないで、引き締まった二の腕をつくれます。たぷたぷしてきたら上腕三頭筋に刺激を与えることです。

ダンベル・フレンチプレスのやり方

イスかベンチに腰掛けて、ダンベルのプレート内側を両手で持ち頭の上にばいざいをした状態のように持ち上げます。上腕三頭筋がよく伸びる位置まで伸ばすように、手を位置を調整します。そして、ダンベルを頭上に持ち上げた状態から、頭の後方へダンベルを下ろしていき、約90度を超えたあたりから再び元のばいざいポジションまで戻します。

1.ベンチ・イスに座ります
2.ダンベルを両手で持って、頭の上に持ち上げ腕を伸ばします(トップポジション)
  • 両手でダンベルのプレートの内側を持つ
  • 手の平を上に向けたままで
  • 上腕三頭筋が最も伸びる位置まで持ち上げる
3.上腕三頭筋を伸ばしていくイメージで、頭の後ろ側に肘を曲げます
4.ダンベルを頭上後ろでキープ
5.上腕三頭筋を縮めていくイメージで、肘を頭上へ伸ばしていく
6.セット位置で戻る(トップポジション)

ダンベル・フレンチプレスのポイント6つ

①体の軸を安定させる:腹筋を緊張させて背筋を自然に伸ばして、体の垂直軸がブレないよう上半身を安定させます。

②反動を使わないようする:上半身を前に傾ける、肩のテコにして振り上げるといった反動を使って持ち上げないように。

③上腕三頭筋に意識を集中:上腕三頭筋を引き伸ばして引き上げるというイメージで、筋肉を意識することで効果が上がる意識性の法則を活用しましょう。

④肘と肩を固定する:肩から肘にかけての部分は動かさないように固定します。後ろに下げるときに肩が動いて角度が後ろにならないようにキープ

⑤ゆっくりと動かす:早く動かすと反動と重量のせいで筋肉へ効かせる効果が下がってしまうため、ブレーキをかけるようにダンベルを下げていき、上げるときもゆっくりと引き上げるように

⑥重すぎる重量にしない:持ち上げるために反動を使って負荷が分散してしまう原因になりますので、最低5回はできる重量から実施

 

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工夫TIPS

効かせるゴールデンゾーン・スポット:下げきる手前と上げるはじめのゾーンが効き具合が最高潮になりますので、より意識してゆっくりと動作させます

簡単にする:まず両手で軽い重量で行って、肘を固定させて一連の上げ下げのフォームができるようにします。

負荷をより強くする:負荷を上げることですが、その前によりゆっくりと動作させるチャレンジを。
稼働域と角度を変える方法として、胸の垂直方向の前面に向かって手を伸ばして、肘を固定して顔に向けて持ち上げる方法をお試しください。また両手に別々にダンベルをもって行う上級メニューもオススメです。

ダンベル・フレンチプレス

出典:excise menu

事故・ケガの予防方法:重い重量で行った場合に肘関節のケガの原因となりますので、最低5回は出来る重量で行うようにご注意を。また動きに慣れていないと肘関節になりますので最初はかなりの軽重量で動きだけ試すことからはじめましょう。伸ばし切ると肘を痛めやすいため、肘を伸ば切る手前で止めても問題ありません。

 

ダンベル・フレンチプレスのセット方法

①目的から効果的なセット数をみつける

3つの目的パターンによって、回数と重量が変わってきます。まず、最大筋力である1RMを割り出して目的に合う回数と重量を割り出しましょう。それぞれ3セット想定です。

筋肥大(筋肉を大きくする) 10~15回 最大筋力の60~80%の重量
筋持久力(筋肉を引き締める) 20~60回 最大筋力30~50%の重量
パワーアップ(重量を扱える) 5~10回 最大筋力80~90%の重量

例:腕を太くする → 筋肥大 → 10~15回×最大筋力の60~80%の重量・3セット

②最大筋力・1RMを測定する

まず、だいたい10回出来そうな重量を選び、何回できるか最大限までチャレンジします。その結果から最大筋力を割り出して負荷を割り出します。

1回・・・1.00 4回・・・1.14 7回・・・1.26 10回・・・1.38
2回・・・1.06 5回・・・1.18 8回・・・1.30 15回・・・1.61
3回・・・1.10 6回・・・1.22 9回・・・1.34 20回・・・1.94

例えば:プレンチプレス10kgを8回 → 係数1.3
→ 10×1.3=13kg → 最大筋力13kg

筋肥大は最大筋力の60~80%の重量
→ 13kg×60%=7.8kg
7.8kg×10回を3セットでSTART

③インターバル時間を知る

インターバルも3つの目的パターンによって変わってきますので目的に合った最適なインターバル時間を把握しましょう。

筋肥大 30秒~3分・長くなりすぎないよう
筋持久力 30秒~5分・息が整ってから
筋力・パワーアップ 4分以上・充分疲れがとれてから

④頻度は超回復時間の目安に合わせて

上腕三頭筋の休養目安は48時間ですから、休養させるために2日空けます。

大きな筋肉 広背筋・ハムストリング・大腿四頭筋 中3日以上
中ぐらい筋肉 大胸筋・上腕・肩・体幹系 中2日以上
小さな筋肉 腹筋・前腕 中1日以上

 

参考にしたいダンベルフレンチプレス動画

ベンチに座って・頭の後ろで実施するパターン

ベンチに寝て・頭の後ろで実施するパターン

ベンチに寝て・胸の前で実施するパターン

 

要点おさらい

ダンベル・フレンチプレスは派生系のフォームが豊富ですからレベルアップにあわせて自分流にカスタマイズしてベストな方法を選択したいものです。より負荷を上げる種目としてバーベルを使ったフレンチプレスがオススメですので慣れてきたら是非チャレンジを。

  • 体の軸を安定させる・肘と肩を固定する
  • 反動を使わないようする
  • 上腕三頭筋に意識を集中
  • ゆっくりと動かすこと
やり方・手順 狙いの筋肉 効果 参考動画
ポイント解説 目的別の回数・負荷・頻度の算出

最後の仕上げはきっちり栄養を摂ること。ベストなタイミングでたんぱく質をシッカリ摂り休養日を設けて・・・あとは果報は寝て待つのみ!

よいフレンチ生活を!