ドラゴンフラッグのやり方

自重トレーニングはある一定のレベルから負荷を強めることが難しく、効果が停滞してしまうことがあります。回数は稼げるようになっているのに筋肥大の効果が少ない。特に腹筋の腹割を目指しているのになかなか腹筋が発達しない。これはよくある自重トレーニングの罠といっていいでしょう。

そんな自重トレーニングの負荷が停滞してしまう問題を解決するのにいいのがドラゴンフラッグ。自重のみでの腹筋の肥大化に最適なメニューです。難度が高く奥の深さも数ある筋トレメニューの中でも群を抜いていますから、最終目標として極めるメニューとしてもオススメです。ドラゴンフラッグのやり方と実力をみていきましょう。

やり方・手順狙いの筋肉効果参考動画
ポイント解説目的別の回数・負荷・頻度の算出
漫画サイト IKECO

 

ドラゴンフラッグで鍛える筋肉と効果

ドラゴンフラッグ
The Dragon Flag

全身といっても過言でもありませんが、主の狙いは腹筋。特に腹直筋と腹斜筋です。

  • 腹筋:腹筋の力で下半身と上半身のバランスと動作をコントロールします。腹に行き渡る負荷に呻くこと間違いなし。
  • 体幹:バランスの悪い状態で胴体を支えますから、体幹の強化にはうってつけです。まずはプランクで鍛えてドラゴンフラッグに備えましょう。
  • 広背筋:身体を床に対して水力に真っ直ぐ保ちつつ、足と胴体を上下させるには広背筋先生のサポートがなければ成り立ちません。
    表の腹筋、裏の広背筋、横の腹斜筋の3者はいずれも主役級の活躍をみせるでしょう。
  • 腕:ベンチを掴んだ状態の腕には、体重と動きによる発生パワーを受け止める力が押し寄せていきます。まずは最初の負荷は腕にきますから、腕が頑張らないとはじまりません。そして腕がクリアできればより腹筋へ集中できるように。
メインターゲットの筋肉腹直筋★★★
サブターゲットの筋肉腹斜筋★★
体幹の筋肉群★★
広背筋

 

 

ドラゴンフラッグの効果

ドラゴンフラッグ
Dragon Flag

自重トレーニングで出来る腹筋の筋肥大トレーニング。
これ以上の腹筋の筋肥大トレーニングは見当たりません。
自宅で腹割派ならドラゴンフラッグは外せません。

 

ドラゴンフラッグのやり方

ベンチに仰向けで寝そべり、頭の上あたりでベンチの端を掴んで両足を揃えて持ち上げます。腰がベンチから離れるぐらいまで両足を持ち上げるまでがセットポジション。そこから高く持ち上げた足をゆっくりと下していき、腰がベンチにつく手前で再び両足を持ち上げていきます。

ドラゴンフラッグ
The Dragon Flag

【セット時】

1.フラットベンチに寝そべる

床でもOK・安定性がありしっかりした土台の掴むものを確保

2.両手でベンチの端を掴かむ

ベンチの端に手をひっかける感じで

3.両足を頭上に持ち上げる

腰をベンチから離れさせて肩甲骨で体を支える
脚はやや曲げた状態でよい

ドラゴンフラッグ
The Dragon Flag

【動作】

4.ゆっくりと足を下ろしいく

足の重さを支えるよう腹筋に力を入れてゆっくりと

5.腰がベンチに着く直前でストップ

完全に下しきらない

6.再び両足を持ち上げる

元の位置まで足も持ち上げていく

 

漫画サイト IKECO

 

ドラゴンフラッグのポイント

ドラゴンフラッグ
Dragon Door

【セット時】

手の位置と握り方
しっかりと掴めることがもっとも重要、しっかりと腕が安定できると腹筋の筋トレに集中できるように。基本として耳の横あたりでベンチを掴むようにし、指は親指を外したサムレスグリップで握ります。握ると言うより引っかけるような状態にすると力を発揮しやすくなります。

真っ直ぐ足を伸ばさないで足と腹をやや曲げる
床に対して垂直に真っ直ぐ足と腹を直立させるとバランスを保つにも体勢をキープするにも非常に力を要します。足と腹を若干曲げることでバランスを保ちやすくなります。またピンと伸ばしつづけると脊柱起立筋に力がかかり続けて腰の負担になりますので、腰痛対策としても軽く曲げることを推奨します。

腹筋にしっかり力を入れ込んでから開始
しっかり力を入れて準備しておかないと、少し倒し始めた最初の段階でドーンと足が勢いよく落ちてしまう場合があります。足を下ろす前にしっかりと腹筋に力を入れて、重量に対する勢いを殺してゆっくりと足を下ろせしていけるようしましょう。

【動作時】

狙いは腹直筋と腹斜筋
ドラゴンフラッグは腕や肩・背中の筋肉など上半身全体に負荷がかかるメニューです。バランスを保ち足を下ろすスピードを緩めるだけでも腕に相当な力がかかります。しかし、狙いたいのは腹筋。初めは全身運動でも慣れてきたら徐々に腹筋に意識を集中して腹筋オンリーで上半身のバランスをコントロールしているような力意識を持ちましょう。

腰はベンチに着けないよう
足を下す際にも負荷が逃げないようベンチに腰が着かないようにします。腰はベンチに着かないよう、そして肩甲骨はベンチから離さないよう密着させること。

反動を利用せずにゆっくり動作
ドラゴンフラッグでは、両足を下ろしていく動きが筋肥大を促すネガティブ動作にあたります。きつく苦しくなりますが出来るだけゆっくり下すようにすることがトレーニングに主眼に。

 

ドラゴンフラッグ
Overall Abs Exercises

注意したいこと

  • はじめは膝を軽く曲げて:脚はピンっと伸ばさずに膝を軽く曲げましょう。曲げることで負荷が下がり若干やりやすくなります。
  • 腰への負担が大きい種目:腰に不安がある方にはオススメできない種目です。他の種目に比べて急激に腰に負荷がかかりやすいのが怖いところで、徐々にではなくドーンと腰に負荷がきます。V字腹筋などが問題なくできて痛みも感じない人というのが最低限の実施要件。

■回数を無理にこなそうとするのも危険ですから、最初は回数よりゆっくり下すネガティブ動作に注力しましょう。
■足を上げ過ぎないようにしましょう。腰痛やヘルニアのリスクが上がる体勢にしないように。

  • 腕力と握力も必要:上半身の体重を支えるぐらいの腕力は必要です。また腕力も鍛えておくとベスト。
    腕の力があればより腹筋にキモチもチカラも集中しやすくなります。
  • 掴んでいる場所は大丈夫?指で掴んでいる場所にはかなりの負荷がかかります。瞬間的に局所的な力の集中が発生して破損してしまう考えられますから握る位置には十分な強度があることを確かめましょう。

 

ドラゴンフラッグ
Dragon Flag

 

工夫

空中アーチを作る:
れてきたら胴を橋のカタチづくる空中アーチにチャレンジ。腹筋が十分に伸ばされて、さらに腹筋に効かせやすい体勢になります。腰に強い負担がかかりますから相応の熟練度を経てから取り入れるようにしましょう。

まずは自宅×床で行う
ドラゴンフラッグはまずは自宅で床でやれるようにしてから、ベンチに移行するのをオススメします。人がいる場所で失敗すると何だかとても悲しい構図になりますので注意が必要です。

自宅でやるなら4点がオススメ
①柱:両手で掴みやすいくらいの柱があれるとベスト。柱は持ちやすく支柱にしやすい
②ベットのへり:重量のあるベットなら安定性が充分・手袋をもってやればささくれにグサっも防止
③ドアのへり:ドアもなかなか安定性がありいいのですが、動いて指が挟まれて大変なことになるのでオススメできません。
④テレビ台のヘリ:最近の薄型TVだと意外に重量がなかったりしますので、強度を確かめてから行いたいところ。

マットや厚めのバスタオルを腰・足元にひいておく
足がズシーンとスピードがついて落下してしまう危険性があります。特に初めてのときと熟練度が高いときが注意、足を下げる途中でいきなり力が入りづらい筋肉のツボに入るような時があります。足が落下した時のクッションとなるよう、腰からつま先にかけてマットや厚めのバスタオル引いておきましょう。シューズを履いてやるとさらにベター。

基礎体力のチェック
ドラゴンフラッグは中級者向けの種目です。腰に負担がかかりやすく足が落下してケガにつながりやすいですから必要な筋力をつけてから行うべき。ではどんな筋肉が必要でしょうか。以下のこのレベルは達成しておきたい内容を記載します。

  • 体幹:胴体のバランスコントロールができるよう基礎となる体幹の筋肉が欲しい
    プランクを1分は出来るのが目安、1分続かないようならドラゴンフラッグを5回繰り返すのも難しい。
  • 腹筋:V字腹筋を15回×3セット。フォームによって負荷が変わるV字腹筋ですが最低回数とセットはこなせるボディは準備したい。
  • :通常の腕立て伏せ15回×3セット。腕がしっかりすればより腹筋により集中できるようになる。レッグレイズもオススメ
  • :腰に怪我・不安がないこと。ストレッチで海老反りや前屈をしてみても腰に問題がないこと。

 

 

ドラゴンフラッグのセット方法

ドラゴンフラッグ
Taking dragon flag to another level

①回数の前にゆっくりやる技術・力をつける

まずは脚をゆっくり下ろすネガティブ動作を出来るようにすること。やみくもに回数を狙わずに。

②キープ時間を増やす

重量を負荷することができないメニューのため、フィニッシュのでのキープの時間を長くすることで調整します。アーチのカタチでキープするのはかなりハード。

③インターバルを短くする

インターバルも3つの目的パターンによって変わってきますので目的に合った最適なインターバル時間を把握しましょう。ドラゴンフラッグの場合、最初のうちは十分な休息ととってやりましょう。力がいきなり抜けて腰に負担がかかるときがあります。

筋肥大30秒~3分・長くなりすぎないよう
筋持久力30秒~5分・息が整ってから
筋力・パワーアップ4分以上・充分疲れがとれてから

④頻度は超回復時間の目安に合わせて

多種の筋肉を動員するメニューですから一概に目安を設けるのが難しいところ。目安として中ぐらい筋肉の筋肉群と考え中2日は開けたいところ。基本はカラダの調子と相談ですね。

大きな筋肉広背筋・ハムストリング・大腿四頭筋中3日以上
中ぐらい筋肉大胸筋・上腕・肩・体幹系中2日以上
小さな筋肉腹筋・前腕中1日以上

 

参考にしたいドラゴンフラッグ動画

フォームが美しい、スピードを押さえた前半が参考になります。

ケトルベルト・ドラゴンフラッグ
ケトルベルトを両手にもって重しとして利用、V字のカタチをつくりキープします。上腕三頭筋や三角筋への負荷がやや下がりますので、より腹筋に集中できます。ですが、あくまで若干下がる程度、難易度はほぼ変わりません。バランス力はこちらの方が要求されます。

 

 

腹割なら絶対ドラゴンフラッグ

自重トレーニング派だけではなく、レジスタンス派にもドラゴンフラッグはオススメしたい。フォームの完成度が高くなればなるほど、腹まわりにかかる実質強度はゆうに100キロを超えるのではないだろうか。確かな計測ではないが体重とスピード負荷を考えれば確実に生まれるだろう物理パワーレベル。疑うならまず試してほしい。納得していただけると思う。

やり方・手順狙いの筋肉効果参考動画
ポイント解説目的別の回数・負荷・頻度の算出

ロッキーのスタローンやブルース・リーが映画中でやっていたドラゴンフラッグ。そろそろ新しいドラゴンフラッグのスターが出てきてもいい頃合いだと思える2016年。

いいドラゴンフラッグを!