トライセプス・キックバックは上腕三頭筋を狙った筋トレメニューであり、上腕三頭筋を狙いを定められる稀な種目です。重量よりもフォームが大切な種目ですから、やり方のポイントをしっかり押さえておきたいところ。トライセプス・キックバックの筋トレ方法を手順・効果・実際の動画を交えて解説していきます。

やり方・手順 狙いの筋肉 効果 参考動画
ポイント解説 目的別の回数・負荷・頻度の算出
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トライセプス・キックバックで鍛える筋肉と効果

トライセプス・キックバックは上腕三頭筋がもっとも活躍するメニュー。他の筋肉への負荷分散が最小限に抑えられ、筋トレの種目の中でも上腕三頭筋の集中度合いは最も高いと言えます。上腕三頭筋は三角筋や大胸筋を鍛えるメニューで鍛えられることが多いのですが、その役割はいつも補助的。サポート役でしかなく、主役ではありません。上腕三頭筋ファンにとって主役の座を担えるトライセプス・キックバックは絶対に外せない種目でしょう。

メインターゲットの筋肉 上腕三頭筋 ★★★

効果

腕を太くする・ボリュームアップ効果:トライセプスキックバックはもっとも上腕三頭筋に集中できるメニューであり、腕の面積の6-7割を有する上腕三頭筋ですから腕を太くする効果がもっとも高いメニューと言えます
腕のカタチを整える効果:上腕三頭筋の象徴である「二の腕」のカタチを整えるシェイプ効果が期待できます
二の腕を絞る!振袖肉の払拭:上腕三頭筋を絞ることで二の腕をキュッと引き締められて振袖肉を振り払うことが可能に

 

トライセプス・キックバックのやり方

ベンチに片脚と片肘を乗っけて、ダンベルを持った手を床と並行になる高さまで引き上げるたら、セットポジションの完成。このとき、顔は前を見据えて、腹に力を込めて背筋を伸ばし、上半身をしっかりと安定させますこと。上腕三頭筋を使って引き上げるイメージで、ダンベルを後方へ持ち上げていき、手が伸びきる位置まで持っていきます。トップポジションで力をキュッと込めて1-2秒キープさせた後に、ゆっくりとダンベルを下ろしていきます。

1.ベンチかイス2つを並べて準備完了
2.ベンチに片肘と片膝をつけて体重をのせます
3.顔は正面を向かせて、胸を張って背筋を伸ばし上半身を安定させます
4.上腕が床になる高さまでバーベルを持ち上げます

上半身と上腕が床と水平になっているかチェック

5.バーベルを持つ手の肘は直角に(セットポジション)

肘から先は床に向かって真っ直ぐになるよう

6.ダンベルを後ろ側にゆっくりと上げていく

上腕三頭筋を収縮させて引っ張るイメージで

息をゆっくり吐きながら、息の吐き出しに合わせて動かす

7.肘が完全に伸びきる状態まで持ち上げる

上腕三頭筋を収縮させます

8.1~2秒キープさせる(トップポジション)

キュッと腕に力を込めることで効果を高めます

9.息を吸い出しながら元の姿勢へ

上腕三頭筋を伸ばしていくイメージで、ダンベルを下ろしていきます。

重量に逆らうよう、ゆっくりと下げます

 

トライセプス・キックバックのポイント

トライセップス・キックバック

出典:Joe Wuebben

①顔は前を向く:顔が下を向くと背が丸まってしまうため、意識して正面に顔を向けるようにします。グッとあごを前に出す感じで
②背筋が丸くならないように:腹に凹ませて力を入れることで背筋が丸まらずに真っ直ぐにキープできます。ドローインをダンベルの動きに合わせて行なうと背筋も真っ直ぐにキープできつつ、筋トレ効果を引き上げられます。引き上げるときに吐き出し、下げるときに吸い込みます。
③上腕が床と並行になるよう:セットポジションでバーベルを持った上腕が床と並行になるように
④肘を伸ばしきること:肘を伸びきらせて上腕三頭筋をしっかり収縮させるのがポイント
⑤軽いウェイトを使うこと:フォームを重視したい種目のため。重い重量はフォームを雑にしてしまい、また肘関節に過度な負担をかけてしまい痛める要因になります。あまり重いウェイトは扱わないよう、ちょっと軽めで
⑥上腕三頭筋に意識を集中する:特に収縮とストレッチをさせる動作中は上腕三頭筋に意識を集中
⑦反動を使わない:ダンベルを振り子のようにして作用させて反動を使わないように
⑧肘を固定させる:肘を上半身の側面につけて、肘の位置ができるだけ動かないよう固定させます

 

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工夫TIPS

効かせるゴールデンゾーン・スポット:上げはじめと下げはじめのエリアがもっとも効きが強いゾーンですから、上腕三頭筋を意識してじっくりと・ゆっくりと通過させましょう

代用するなら:ペットボトルでも可能なメニューですから、ボトル本体が後ろ側になるようペットボトルの蓋を手にもって行なえば擬似ダンベルの出来上がり。後の動作は同じ。重量よりフォームが大切な種目ですからまず動きを覚えるためにも導入にペットボトルを使うのは最適です。砂を入れたペットボトルなら500mlでもなかなかの重量になります。

簡単にする:肘を完全に伸ばす手前で折り返します。稼働域が狭くなりますのでパワーアップチャレンジでなければ、まずは重量を下げて行なうことが第一。

負荷をより強くする:3つをご提案!

・筋肉を最大限に収縮させるピークコントラクション法を利用して、トップポジションで上腕三頭筋を1~2秒の間、力いっぱい絞り込むようにします。このちょっとした動作で強度を上げることにつながります。

・肘の高さを少し上げることで、稼働域が広がります。

・トライセプスプッシュアウェイを行なう

トライセップス・キックバックのやり方

出典:POPSUGAR

両手にダンベルを持って行なう方法。前かがみになりダンベルを両手にひとつづつ持ち、肘を曲げた状態から後方へ向けてダンベルを持ち上げます。背中を丸めて行なうと腰を痛めやすいのでご注意を。

さらに強化を求めるならプランクをしながら、というスゴ技

ちょっと簡単には真似ができない。このレベルに到達できたなら美ボディ間違いなし!

事故・ケガの予防方法:肘関節に不安がある場合には、肘を伸ばしきる手前で折り返すようにします。また種目がフォーム重視ですから重量選択は自分のイメージより若干落として実施

 

トライセプス・キックバックのセット方法

①目的から効果的なセット数をみつける

3つの目的パターンによって、回数と重量が算出できます。まず最大筋力である1RMを割り出して目的に合う回数と重量を割り出しましょう。それぞれ3セット想定です。

筋肥大(筋肉を大きくする) 10~15回 最大筋力の60~80%の重量
筋持久力(筋肉を引き締める) 20~60回 最大筋力30~50%の重量
パワーアップ(重量を扱える) 5~10回 最大筋力80~90%の重量

例:腕を太くしたい → 筋肥大 → 10~15回×最大筋力の60~80%の重量・3セット

②最大筋力・1RMを測定する

まず、だいたい10回出来そうな重量を選び、何回できるか最大限までチャレンジします。その結果から最大筋力を割り出して負荷を割り出します。

1回・・・1.00 4回・・・1.14 7回・・・1.26 10回・・・1.38
2回・・・1.06 5回・・・1.18 8回・・・1.30 15回・・・1.61
3回・・・1.10 6回・・・1.22 9回・・・1.34 20回・・・1.94

例えば:トライセプス・キックバック 10kgを8回 → 係数1.3
→ 10×1.3=13kg → 最大筋力13kg

筋肥大は最大筋力の60~80%の重量
→ 13kg×60%=7.8kg
7.8kg×10回を3セットでSTART

③インターバル時間を知る

インターバルも3つの目的パターンによって変わってきますので目的に合った最適なインターバル時間を把握しましょう。

筋肥大 30秒~3分・長くなりすぎないよう
筋持久力 30秒~5分・息が整ってから
筋力・パワーアップ 4分以上・充分疲れがとれてから

④頻度は超回復時間の目安に合わせて

上腕三頭筋の休養目安は48時間ですから休養させるために1~2日空けるのが目安です。

大きな筋肉 広背筋・ハムストリング・大腿四頭筋 中3日以上
中ぐらい筋肉 大胸筋・上腕・肩・体幹系 中2日以上
小さな筋肉 腹筋・前腕 中1日以上

 

参考にしたいトライセプス・キックバック動画

解説する女性の腕が凄いことになっていますので、二の腕も合わせてチェック!

自己フォームを客観的にチェックする癖

トライセプス・キックバックの要点はセットポジションのフォームにあるといえます。いかにダンベルの稼働域を確保しているか、軸の安定性があるか、といった効かせらる準備が整えられていることが、効果の秘訣。鏡を横にしておこなったり、スマホ撮影をして確認することをオススメします。見直せばいくらでも直したい部分・改良していきたい目標ポイントが出てくるはずです。そんな検証こそ、筋トレ効果を上げる近道なのかもしれません。

やり方・手順 狙いの筋肉 効果 参考動画
ポイント解説 目的別の回数・負荷・頻度の算出

トライセプス・キックバックをゆっくりと正確なフォームで実施している人を見ると唸ってしまうもの。体がブレずに、まるでロボットのように見えて負荷が軽るいように見えたりと。しかし重量を見るととんでもなかったりします。そんな人に出会えたなら是非上腕三頭筋をチェックしてみてください。ほぼカチ盛り系です

よいトライセプス・キックバックを!