ラグビー選手はどんな筋肉のつき方をするのでしょう?有名選手の肉体を一挙に15人みれば、自ずとラガーマンの筋肉分布が分かります!ご自身の目でご検証あれ!

レジェント of レジェント

オールブラックスというチームには、例えそのチームのファンでなくても「絶対的な王者」であって欲しいと思わせる力があります。オールブラックスが輝けば輝くほど周りのチームも輝きを増して、引き立てる太陽のような存在。彼らのようなになりたい、彼らを凌駕したい、そんな想いが凝縮したチームとの対戦カードは試合ではなく「戦闘」という表現が似合います。そして数々の戦闘を繰り広げながらも「絶対的な王者」の位置を譲らない集団。

そのオールブラックを率いてきたキャプテンがリッチー・マコウ氏。2015年のラグビーワールドカップを制した後、引退を表明されました。ボールがあるところにマコウありと言われたのに、もうボールを追っても彼の姿を見れないのは寂しい限りです。彼ほど知的なラグビーをする選手はいませんが、同時に彼ほど野蛮の象徴である「血」が似合う男もいないでしょう。

リッチー・マコウ氏の特徴はオールマイティな能力。走る・止める・獲る・トライするの一連の動作を瞬時にやってのけます。どんな肉体をしているのか?特徴を上げますと

  • 大胸筋は意外に盛り上がっていない。フラット型。
  • 腹筋は内部で隆起している。皮下に隠れているだけ。
  • 肩・胸板・背中の上半身が大きい。過大な隆起は認められない。

オールマイティ性が肉体に表れているような印象をうけるボディです。

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悪魔にみえる瞬間がある男

浜辺で楽しそうに駆け回るオジサンたち、まるで海辺の天使のようで、その無邪気さに見る人をホッコリさせてくれます。いや、知らない人にとっては不気味なおじさんの戯れかもしれません。
さて、この左側のお髭のおじさんは、誰でしょうか?2015年のラグビーワールドカップの日本戦を見ていた人なら、あ!っと思い当たるはずです。

スコットランドのキャプテンのレイドロー選手です。(Greig Laidlaw)
スクラムハーフとキッカーを務めペナルティ時の判断も任されており、的確なタイミングでキックを選び、かつ確実に入れてくる恐ろしい存在。駆け引きも非常に上手で、日本も戦ったサモア戦ではトライ取消の抗議を行い相手チームの冷静さを崩壊させたり、スクラムを有利すべく審判にちょいちょい声をかけたりします。足も凄いけど口も凄い。

そして何より印象深いのが、ルックスが映画に出てきそうな顔であり、主役級のダンディなイケメン。日本対スコットランド戦での五郎丸選手とのイケメンキッカー対決は見ものでした。寡黙な正義の五郎丸選手と足と口と顔で相手チームを攪乱する悪魔との戦いに見えました。

レイドロー選手の肉体特徴は?

  • 大胸筋は隆起していない、適度な張り具合
  • 胴体のシャープさに対して腕の発達が目立つ
  • サッカー選手のスタイルに似ているようだが、腕と肩の隆起度合いが違う

海辺より勝利が似合う男です。

古代の戦士を彷彿させる重戦車

フランスのセバスチャン・シャバル選手は、典型的なフォワード像を体現した密集戦のキーマン。ナンバー8やフランカーをつかさどり、相手を引きつけて、より大きな集団戦にもっていきます。その風貌は古代の戦士を彷彿させ、味方には安心感を、敵には対峙する恐怖を与えます。

典型的なフォワードタイプ

  • 胸板がある、さらに胸の土台がある
  • 広背筋と僧帽筋の発達を感じさせる
    背中の上下横のすべての方向へ張り出している
  • 腹筋の厚みも凄い。
    皮下筋肉・皮下脂肪に隠れているだけと思える

押す力が強靭なのは予想できるところ。その原動力になる背中の力が、筋肉の隆起として現れているように感じます。

ラグビー界で最高レベルの肉体美

ハイランダーズに所属するライアン・トンギア選手。足が速く、切り返しも鋭く、何より勝負どころでのトライに対する嗅覚が凄いウイング。端正な顔つきであり、肉体美レベルも高いため、BODYモデルとしてメディアに露出することも多い。

ラグビー界で肉体美がもっとも高い選手と言えるのではないでしょう。特に胸板の盛り上がりがはっきりしています。

  • 特に胸板の厚みがあり、くっきりしている
  • すべてのパーツが均一にレベルが高い

敢えて言えば短距離陸上選手の肉体に近く、特に100メートル走の選手特有のカラダつきに見えます。

イケメン胸板

オーストラリアのケイン・ロートン選手。肉体美のモデルとして数多くの素晴らしい肉体写真を世に送り出しています。全体肉体美の至宝はライアン・トンギア選手で、胸板を主役にして肉体のデザイン性をより高めたのがロートン選手と言えるでしょう

ボディモデルと活躍しているため、ラグビーだけが筋肉の個性に影響とは考えられません。
顔といい肉体といい、元々の素質と肉体美目的のトレーニングが大きいでしょう。

イケメン胸板といったら彼は外せません。

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サッカーの岡崎選手に似ている

南アフリカのラグビー選手で、ウィングやセンターを担当。
全ての部位が中レベル以上の筋肉のつき方で、
ポイントは体脂肪を落としているせいか、
アウターマッスルが外に露出して引き締まっていること。

  • 全体的にバランスがいい
  • 体脂肪率が低いため、筋肉が引き締まってみえる
    速さの役割と体脂肪率は相関性がありそう

当たりの少ないウイングにとっては、スピード重視にすべく体脂肪は落とす傾向にあります。

密集戦の狩人

オーストラリアのマイケル・フーパー選手。
フランカーを担当し、誰よりも早く密集に突っ込み、誰よりも早くボールの在りかを嗅ぎつけます。ボールを奪うジャッカル力が凄まじく、彼のプレーを起点に攻守が切り替わるシーンは何度も見かけます。

そんなフーパー選手の肉体はどうなっているのか?ワラビーパンツで海と戯れる貴重な写真がありました!

  • 総合的に上半身の厚みが凄い。
    アウターマッスルもしかり、インナーマッスルの発達を感じさせる
  • 僧帽筋・三角筋・上腕三頭筋が織りなす肩のラインが他の選手より盛り上がってみえる

ジャッカルは立ったままの体勢でやらなければならず、密集戦では立った状態をキープすることすら難しいはずです。さらに相手からボールを奪う力が必要なのですから、「立ち続ける力」と「引き寄せる力」の両方が必要になります。そんな難しい条件下でも成功率が高いフーパー選手の肉体には考察するポイントが多くなります。

大型選手がさらに筋肉をつけて超型に

イギリス・オーストラリアで活躍したルーク・オドネル選手、2013年に引退されています。
フォワードの最前列を担うロック・プロップを担当していました。
ロック・プロップ=太っちょ or 細身長身 という固定概念があった筆者には衝撃的な選手で、デブでも細身の長身でもない筋肉質の大型長身の出現はロック観を一変させたのです。体重であたりにいくのではなく、走力と上半身の筋力を使ってバーンと相手にあたりにいく。ラグビーでは皮下脂肪はだんだんと仇になっていき、筋肉の方が重要になる予感を感じさせる選手だったのです。

  • 全てがトータルに筋肥大している

バランスがいいセンター型の肉体が、長身のロック選手で体現される。体型では勝てない日本人が、この手のロックタイプにどう対応していくのか。体型以外の解決方法を見い出せれたら・・・日本ラグビーがもっと面白くなるでしょう。

超大型の肉体

南アフリカのビクター・マットフィールド選手でロックを担当しています。
2015年のラグビーワールドカップでの日本対南アフリカ戦で、201cmという長身はその存在感をいかんなく発揮していました。あんな超大型の筋肉巨人のいるチームに勝てるのだろうか・・・そう思った人は多いと思います。

  • 全体に筋肉が万弁なく分布している
  • アウターマッスルよりも、インナーマッスルが発達している印象

背が高いけど細身、というロック像は少なくなりつつあるのですが、しかしビクター選手レベルのロック次世代は人数が少ない印象があります。今後の鍵を握るポジションになりそうです。

バックス型BODYのフォワード

イギリスとのトム・バージェス選手の担当はプロップです。
196cmで120kgと大型の長身でありながら、バックス陣を彷彿させる引き締まったボディ
この選手がプロップというのが驚きであり、走れるフォワード・スピードで攻めれるフォワードの体現者となりそうです。

  • 上腕二頭筋の発達が目覚ましい
  • 背中上部の盛り上がりも正面から確認できる
  • 全体的にバランス均整がとれている

1992年生まれの20代前半で、これからの活躍が楽しみ。

定番の重厚感

南アフリカのクレイグ・バーデン選手。フッカーです。
184cm100kgという体形で、もっともバランスが取れた中央値と言えるのではないでしょうか。

  • 大胸筋の盛り上がり。胸板を形成している
  • 皮下脂肪がある程度あり、体脂肪率は他のポジションより高い印象

スクラムで押す力が必要なフッカーは、スクラムの体勢の影響も合わさり、大胸筋が大きくなりやすい可能性があります。また重さ自体がスクラム武器につながりますから、結果として体脂肪は積極的につけているでしょう。

バネを感じさせるカラダ

オーストラリアのジョッシュ・マンソア選手。
見栄えからいうとフッカーに見えますが・・・ウィングなのです。

  • 僧帽筋の隆起がしっかり見える
  • 腕・肩・胸・足とトータルに筋肉がついている
  • 体脂肪率は低い

このフッカータイプがウィングにいることは対峙するウィングにとって多いなるストレスになるでしょう。ウィングももちろん守備力が問われますから、この手のフォーワード型ウィングは怖い存在。

ナンバー8のカラダ

南アフリカのピエール・スピース選手、ナンバー8をつかさどります。
ナンバー8はその時代のラグビーの体現するもっとも濃縮率の高いポジションではないでしょうか。どんな戦術なのか?何が勝敗の肝なのか?選手のタイプにチームの考えや全体的な時流がみてとれます。

  • 大胸筋は隆起していない
  • 上腕三頭筋・三角筋・僧帽筋が背中上部を分厚くしている
  • 前面より背面に力を感じる

肉体的に気になったのが大胸筋が盛り上がっていないこと。もちろん、大胸筋が引き延ばされた体勢も原因でしょうが、そうであったとしても、乳首下のスッキリ感は通常モードでの胸板の存在を感じさせません。

大人のフォーマルボディ

ニュージーランドのオールブラックスを代表する一人であるダニエル・カーター選手。ワールドラグビー年間最優秀選手賞が3回、テストマッチ個人通算ポイント数が歴代最多という記録を持っています。ポジションはインサイド・センター。攻撃でも守備においてもトライを決定づける接触ポイントであり、センターが穴となればあらゆる努力が無に帰します。

カーター選手は肉体美でも有名で、ダンディーなシルエットが特徴的です。ボディ写真が多いラガーマンのひとり。

  • ・大胸筋がしっかり胸板を形成している
  • ・腕・胸・背中・肩の見栄えバランスがよい

正統派の主人公といったキャラクターが肉体でも示されています。

ラグビー選手の筋肉の特徴

共通してみられたポイントをまとめてお伝えします。
基本的には筋肉の隆起度合いという「大きさ」でその強さを判断しました。筋肉の大きさは筋肉の強さを表すものではない、と言われますが、ラグビー選手の筋肉に関しては大きさは強さを物語ると考えます。その理由は、選手ごとのポジション・強みポイントから想像した作用筋肉と、実際の大きい筋肉が符合するから。通常より大きい筋肉部位はその選手の強みを表す。そんな主観を盛り込んでまとめたのが以下のとおり。

ラガーマンの筋肉特徴まとめ

  • 大胸筋:★
    隆起するほど筋肥大していない。
    もっと奥が発達している感じで胸全体のボリュームが大きい。ハト胸感満載である
  • 三角筋:★★
    大きい。肩単独ではなく、肩から腕にかけて背面が厚みを感じさせる
  • 上腕三頭筋:★★★
    発達が凄い。腕の後ろ側が横にせり出している
  • 僧帽筋:★★★
    盛り上がり度合いが大きい。首から肩にかけてのラインが山なり
    背面のボリュームの起点になっていて厚みがある
  • 広背筋:★★
    上部・下部ともに過度に筋肥大していない。
    皮下脂肪に隠れて見えないが胴体の厚みにその土台を感じさせる。
  • 腹筋:★
    内部で隆起している。過度に強調させる選手は少ない
  • ポジションによる違いは減少傾向の現代ラグビー
    ラグビー選手の肉体タイプはポジションによって異なり、肉体をみればポジションがだいたい想像できるものでした。しかし現代のトップラグビーでは専門性はもちろんとして、オールマイティな能力の向上が求めらているように思えます。走れるフォワード、密集戦で負けないバックス、というように、デブとよばれるフォワードも、細身のバックスも見かけなくなりつつあります。ポジションの特性よりも、むしろその選手の強みが筋肉に象徴されているようになっています。

腕・肩・背中づくりなら、ラガーマンのトレーニングやラグビーで必要とされる要素が参考になります。あなたの理想のボディタイプを15人の中からみつけて逆算すれば必要なトレーニングが見えてくるでしょう。